解体工事自体が常に危険との隣り合わせですが、特にアスベスト解体工事ともなると、様々な問題が付きまといます。まずひとつはアスベストの飛散の問題です。工事に際しアスベストの飛散を抑制するための方法がとられているとは言え、飛散量は決してゼロではありません。
その他にも騒音や振動は避けられない問題であり、近隣への迷惑につながりかねません。そこで、解体工事に伴うトラブルの回避のため、法的に様々な規制が敷かれています。
ここでは、解体工事に係る規制の一部を解説します。
解体工事に係る規制
原則として、解体業者は大気汚染防止法および自治体の条例が定める作業(実施基準)および敷地境界基準に則り、解体作業等を行わなければなりません。特にアスベスト解体工事においては、アスベストの有無に関する綿密な調査が必要です。
吹き付けアスベストおよびアスベストを含有する断熱材・保温材・耐火被覆材において、アスベスト含有量が質量に対し0.1%以上を占める場合、工事を開始する14日前までに所定の届出を提出することが義務づけられています。
なお、基準への遵守を怠った結果、近隣の生活環境を損ねた場合には、行政より改善勧告などを受けることがあります。
また、解体工事には騒音が付き物です。解体業者は騒音規制法、振動規制法および自治体の条例が定める作業実施基準に則り、作業場を隔離するなどの方法をとったうえで解体作業を行います。